ブリュッセル・ウプサラ

2009年1月6日

ブリュッセルでは年明けから寒い日が続き、昨晩は大雪で数センチ積もった。「寒い」とは言え、せいぜい最低気温が氷点下1桁台だが、ここ数日は氷点下2桁台になっていた凍てつくスウェーデン・ウプサラに行く。短期の交換留学生として支給された奨学金の条件に、2回の研究発表を行うことがあるためだ。1回目の発表は去年12月にしており、今回は数日間スウェーデンにいる予定。そのあとストックホルムからロンドンへ向かうことになっている。

ブリュッセル空港まで急行バス12番に乗る。Schuman から出発するので便利だ。交通状況にもよるが、だいたい20〜25分ほどで空港に到着する。バス券は停留所の近くにある自動販売機で買えば3ユーロ。しかし、硬貨とベルギーで発行されるキャッシュカードしか使えないので、少々不便。バスの乗降口近くにあるオレンジ色の読み取り機に、切符の矢印に従い挿入する。荷台があるが、混むと足らないこともある。

この空港はあまり大きくなく、シェンゲン圏と非シェンゲン圏用のターミナルがある。素っ気なく、何か大きな倉庫を連想させるような建物だ。ベルギーということあって、チョコレート専門店が何軒かあるが、大したことはなく、静かと言えば静か、「空港での買い物が楽しみ!」の人にとっては物足りない飛行場。小腹が空いたので、飲食店を見たところ、あまり美味そうなところはない。外は寒そうで、雪が固まり、鈍く光りを反射している。

乗る航空会社は19時15分発のスカンジナビア航空。737型機でも小さい方の機種で、空席が目立つ。案内によると、到着地まで飛行時間は約2時間で、ストックホルムは暖かく、気温は0度と言う。「寒いぞ、寒いぞ」と変に気合いを入れていたので、肩すかしを食らった。搭乗は定刻通りだったのだが、荷物を積み込むの時間がかかり、少々遅れての出発となる。離陸すると寒いせいか、空気が澄んでいるように見え、オレンジ色の街灯が鮮明だった。

ヨーロッパの飛行機会社には大雑把に言って3種類ある。(1)1クラス制の格安航空会社では座席指定がなく、全てのサービスに料金が課される。(2)2ないし3クラス制でエコノミーではタダの食べ物飲み物がでない航空会社。そして(3)エコノミーでもタダの飲食サービスのある会社。スカンジナビア航空は2番目だ。トナカイのサラミみたいな肉が挟まれているラップとコーヒーを買う。為替の関係でスウェーデン・クローナの方がユーロ建てより安い。コーヒーは20クローナ(あるいは3ユーロ)でおかわり自由だ。飛行機の中でカフェイン飲料を飲み過ぎるのはいけないが、コーヒーは飲むほうなので、結局数杯飲んでしまう。

30分程遅れて到着して、結構の距離をストックホルム・アーランダ空港のターミナル内で歩く。荷物も比較的すぐに出てきて、観光案内所で100クローナのバス券を買い、13番乗り場から出発する22時10分のウプサラ行バスに乗れた。薄い青が混ざった、黒に限りなく近い灰色の空に、真っ黒の木が並び、他の色と言えば雪と白樺の幹の白だけという世界を走り、約40分でウプサラに到着する。