読書日記 - Hellfire and Herring

2009年8月4日

Christopher Rush, Hellfire and Herring: A Childhood Remembered (London: Profile Books, 2008)

 

戦後間もないスコットランドの漁村で育った著者の自叙伝と回想録。

題名の hellfire と herring はこの村の人々の人生を象徴する。Hellfire とは直訳すれば「地獄の火」で、教会と宗教そして「罪」の意識が人々の心の中心であり、herring は「ニシン」で村の糧だった。村の人々は宗教の中で生きて、ニシンを追って暮らしていた。

優しい母と母方の祖父と曾祖父、村人からすればよそ者で泥酔しては体罰を加える父、話し好きの墓堀り人、今の世の中では奇人変人と思われてしまうような人たちに囲まれた少年時代があった。

宗教という共同体の紐帯が弱まり地獄の火は燃え尽き、ニシンも獲れなくなった今からすると、別世界を垣間見るよう。

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